FC2ブログ

Yahooショッピング

楽天

FC2ID登録・ポイント購入方法・問い合わせ

ブロマガ購入にはFC2ID(無料)に登録していただき、クレジットカードでのお支払いまたはFC2ポイント(銀行振込等)を購入する必要があります。

FC2ID登録 FC2ポイント購入方法はこちらをご覧ください

想い出の選手たち~#60三輪正義~

戸田での引退セレモニーを終えた三輪は、草の生えた土手を娘とともに上がっていった。
それはリアルなフィールドオブドリームを見せてくれたような姿だった。

神宮での引退セレモニー、前日には畠山と館山の引退試合が行われている。
館山は先発をしてひとり、そして畠山は一打席、最後の雄姿を見せた。
しかし突然決まったとはいえ、登録メンバーの中に三輪の名前はなかった。

スワローズが守りの時は、守備コーチのそばに座り、攻撃時にはベンチのカメラマン席に位置を変え、けっして座ることがない。
そして外野手とのキャッチボールでは、ベンチに若手がいても譲らず、グラブをもってグラウンドへ出ていた。
終盤になれば、監督の背後、ベンチ裏から状況を時折みるために、小さな体を目一杯伸ばしていた。
アピールではない。
自分の出番がどこなのか…ベンチやグラウンドに出てくるすべてのことが三輪にとっての準備なのだ。

だからこそごくまれに得られた打席で、必ず決めなければならないバントをしっかりと決められた。
終盤の守備固めでも、試合中のコーチの指示、相手打者の観察をしているからこそ、どこでも守れるのだ。
準備だけではない。
三輪は観察することで、どんな場面でも、役割がどうでも、仕事を果たせたのだ。
ただ三輪のような選手は、チームが勝利を目指す位置にいなければ、自分の個性を活かせない選手だった。
順位とともに三輪の出場数は変わっていく。

2019年スワローズは4月まで上位争いをしながらも、5月に急降下。
ファームの試合に出場し続けながらも、声がかかることはなかった。
そんな年に引退を決断。
そして用意されたのが、引退セレモニーの日だった。

出場機会を得ることは可能だったのかもしれない。
しかし三輪にとっての神宮は、あくまでも一軍の資格をもつ選手が立つ舞台であり、今季そこへ立つことがなかった自分にとってのホームではなかった。
いくらファンが望んでも、最後のプレーを神宮で見せる気はなかったのだろう。
小さい体で憧れ続けたプロの一軍の舞台。
一軍の選手として立つという夢が叶えてくれた神宮の舞台だからこそ、三輪は大切な場所と意識していたはずだ。

ただ野球の神様は見ていた。
勝負の世界にいる人は、神様を信じる。
信仰ではない。
そのスポーツを司る神を信じているのだ。
しかし神様は、努力したものにしかギフトを贈らないことも知っている。

三輪の努力を神様は認めた。
だからこそ雨の降る日に、三輪の引退セレモニーが行われるよう仕組んだ。
試合でのプレーを拒んだ三輪に、得意とした雨の中でのグラウンドのパフォーマンスの舞台を与えた。
前日に較べれば、雨が降ったこともあり、スタンドは寂しくなっていた。
ただ道化を必死に演じた選手に、ふさわしい場を与えたのだ。

チームが暗く沈むとき、三輪は時にいじられながら周囲のムードを変えた。
バレンティンが一年目の時、まだチームに馴染んでいなかった2011年、キャッチボールで受けたボールが痛いという仕草をして、コミュニケーションをとっていたことを知っている。
チームがいい雰囲気でいることを、誰よりも望んだ選手だ。
その明るさに救われた選手がどれだけいただろうか?
そして笑いを呼ぶベンチでの姿だけでなく、バントの打席で鬼気迫る姿を見せる三輪に、どれだけ心を打たれ見本とした選手がいただろうか?

イースタンの最終戦、三輪はセカンドでフル出場し戸田で最後のプレーを見せた。
堂々と自分を一軍に押し上げてくれた二軍の本拠地で、感謝を込めてプレーをした。
一軍、二軍どちらでもセレモニーが行われる選手は少ない。
そしてその両方で笑いを誘った選手もいない。

努力と観察力、そして自分がどうしたらプロで生き抜けるかを考え続けた。
4番とエースは作れない、獲ってくるしかないというが、三輪のような選手こそ育てようがない。
誰もが主役になりたがる世界で、脇役どころか端役でもいい…そんな覚悟をもった選手。
そんな選手こそ育てることできない。
プロ全球団の中でも、貴重な存在だった。

プロになりたくて、隙間を見つけて入り込み、自分の居場所を必死に守り通した野球人生だった。
プロ野球選手になれただけで夢を叶えたと思うのではなく、立ち止まることなく走り続けた、夢を継続させた選手だった。
チームメイトもファンも、そして野球の神様さえも味方にした三輪は夢を抱え続け、力がなくなったところで静かに置いた。
プロとして、夢を叶えた人として、こんなに潔さは見たことがない。

もし三輪が涙を流すとしたら、ひとりになった時だろう。
ただその涙は、無念で流れるものではない。
夢の中にい続けられたことを誇りに思う、喜びと自分を褒めるためのものだったはずだ。

下の2つバナーはランキングサイトです。
「読んだよ」の合図に2つのクリック、忙しければひとつしてからのお帰りをお願いします!レビュー募集中!読者の方の感想を書くスペースがあります。文字数は少なくても構いません。宣伝にご協力お願いいたします^^こちらをクリック

 ↓   ↓   ↓
にほんブログ村 野球ブログ 東京ヤクルトスワローズへ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ
関連記事
スポンサーサイト



Template Designed by DW99